東日本ユニオン東京地本

「乗務員勤務制度の見直し」ならびに「賃金制度の改正」妥結に関する見解

東日本ユニオンは「乗務員勤務制度の見直し」及び「賃金制度の改正」の提案を受けて以降、組合員はもとより現場第一線で働く多くの社員の声を要求へと高める取り組みを進めてきました。

今提案は乗務員勤務の特殊性を薄め、将来の画一的な勤務形態へ向けての一歩であると受け止めており、安全な鉄道を未来につなぐために現行制度の目的を労使で完全に一致させた上で、現場実態を踏まえた議論が求められる取り組みでした。このことから、私たちは制度を見直す目的を理解しつつ、実際の運用場面において安全を大前提に現場社員の労働強化を回避する要求をつくりだし、団体交渉に臨んできました。

「多様な働き方の実現」については、育児・介護勤務の対象期間に対し、団体交渉を通して「対象期間の拡大」に対する問題意識を経営側に認識させることができました。一方、通勤時間や通勤距離に悩む多くの育児・介護勤務適用者から寄せられていた「本人希望を重視した勤務地への発令」の要求に対しては「特定の社員だけを優遇することはできない」との回答に留まる結果となりました。私たち東日本ユニオンはあるべき姿のワーク・ライフ・バランスをめざし、制度を充実させることに留まらず、利用しやすい制度の確立に向けて今後も継続して議論をつくりだすこととします。

「行路選択制」については、定期列車の短時間行路を乗務割交番から遊離することにより、運用を巡り多くの乗務員に休日出勤などの負担が増大するとの懸念から、特に一般線区において「必要な日だけ基本行路を枝番運用」とする組合案を要求しました。この組合案に対して経営側は「すぐに取り入れることはできないが、枝番運用は良い運用方との認識はある」「バックアップなどシステム上の課題の検討を行い、導入に向けて勉強していく」と前向きな回答を示しました。

一方で多くの要求項目について「変更する考えにない」「現行で妥当と考えている」との回答を覆せなかったことは、大きな課題として残るものとなりました。中央本部は、労働協約の変更に関わる重要な団体交渉の結果であることから、中央執行委員会稟議を行い「多くの要求は実現できなかったものの、団体交渉を通じて前進した回答を引き出せたこと」「制度改正に際し、労働組合からの提起を真摯に受け止めていること」を確認し、引き続き労働実態に即した制度の実現を求めて取り組む決意を持って、9月1日に妥結することを判断しました。東日本ユニオンの要求実現に向けて、共に闘いをつくりだしていただいたすべてのJR労働者のみなさまに感謝を申し上げます。

東日本ユニオンが提案に真摯に向き合い、全ての乗務員が平等で納得できる労働条件や労働環境を現場第一線の視点からつくりだした要求は、乗務員として働くJR労働者に大きな共感を与えました。

すでに継続した取り組みはスタートしています。引き続きJR労働者の要求実現をめざすとともに、組合員一人ひとりが制度に向き合い、適正な準備時間を求める議論や時間外労働に対する超過勤務手当の申告など、労働組合に未加入の社員にも広く伝えていかなければなりません。ワンマン運転の拡大についても、無人駅の増加やSuicaなどIC乗車券の導入により、乗務員の負担が増加しています。また、ワンマン運転そのものがお客さまに浸透しているとは言い切れず、システムそのものの有効性についても議論を深める必要があります。

先に実施された「保線部門のメンテナンス体制の最適化」に対する取り組みを通じて、各地で保線部門からの組織拡大を実現しました。この実践を学ぶとともに、労働条件のさらなる向上と組織強化・拡大にむけた取り組みの先頭に中央本部が立つ決意を申し上げ、見解とします。

2018年9月1日
JR東日本労働組合
中央執行委員会

【参考】

  1. 2017年度申16号「乗務員勤務制度見直し」に関する申し入れ
  2. 2018年度申1号「賃金制度の改正」に関する申し入れ
  3. 2018年度申2号「育児・介護に関する申し入れ」
  4. 2018年度申3号「乗務員勤務制度」及び「賃金制度の改正」に関する申し入れ

<< 前のページに戻る